「脳のなかの幽霊」を読みました

脳の仕組みや働きについて書かれた本です。
著者が実際に奇妙な症状を持つ患者を診た経験がもとになっています。
その奇妙な症状とは
・事故や手術などで失った腕や脚が存在すると感じる「幻肢」
幻肢に自殺したいほどの痛みを感じることもあったり、幻肢が麻痺して動かせないこともある。
著者は鏡を使う(右手の鏡像を幻肢がある左手の位置に作りだし脳の誤解を解く)ことによって幻肢を消すことに成功します。
幻の肢の切断に成功すれば、当然、幻の肢にあった痛みも消える。
・見えてはいるが片側(主に左側)の物体や出来事を無視する「半側無視」
・自分の身体の一部の所有を否認する「自己身体否認」

ある女性の生気のない左腕をつかんでもちあげ、彼女の目の前に示し、
「これはだれの腕ですか?」とたずねたことがある。
 その女性は私の顔を見て「その腕は私のベッドで何をしているんですか」と怒ったように言った。
「それで、だれの腕ですか?」
「兄の腕です」。彼女はにべもなく言った。

その他にも「疾病失認」「鏡失認」「カプグラ・シンドローム」や盲点について、
錯覚を利用し机を自分の腕だと認識させる方法など、とても面白く読みました。