宮城音弥「新・心理学入門」を読みました。

20年以上前の本ですけど、中古で100円で買ったのでまぁ妥当かなと。
一番面白かったのは知覚に関することです。
知覚(視覚など)は欲求・感情・経験に影響を受ける。
例えば、視覚は目の前にある物をレンズを通して映しているだけではないということです。
感覚を解釈したものが知覚であると。
また、「(薬によるものではない)幻覚」は「感覚なき知覚」で欲求または期待による解釈であると。
人間は机とその上に本があったなら、それを別々に知覚することができるが、ほかの動物はそれができないというのも興味深い。人間の赤ん坊もできない。
別々に知覚するということはワクに入れカテゴリー分けをするということで、そのワクを与えるのは社会であるから人間の赤ん坊もできないと。
赤いスペードの4と黒いハートの4(実際にはないカード)を混ぜたトランプのカードを瞬間的にみせる実験も面白いなと思いました。
実験結果では、ほとんど全員が赤いハートの4、黒いスペードの4と判断しています。過去の経験が影響している。
霊なんかを見る場合も上に挙げたことが原因の1つなんだろうなと思いますね。
この「視覚は目の前にある物をレンズを通して映しているだけではない」みたいな話を読んでいるとき、カントの「物自体」という考え方を思い出しました。
いや、まったく違うことなんですけどね。ただなんとなく。