「完全自殺マニュアル」を読みました。

結構有名な本ですよね。10年程前に発売された本ですが、発売当時話題になったと記憶しています。
こんな本を発売していいのか、とか、実際にこの本を参考にして自殺した人がいたりとかで。
で、本の中身ですが、自殺の方法が淡々と書かれています。
著者は自殺を勧めるといった趣旨のことはほとんど書いていません。
自殺を成功させるにはこの方法はお勧めできる・できない、ということは書かれています。
それぞれの自殺方法の項の最初に「苦痛・手間・見苦しさ・迷惑・インパクト・致死度」がポイント制(ドクロマークの数)で評価されていて、方法ごとの比較がしやすくなっています。
私は苦痛の少ない方法に注目しながら読みました。その方法を挙げると
・首吊り
・飛び降り(高さ20m以上で落下地点はコンクリートが条件)
の2つです。
私は凍死やガスでの一酸化炭素中毒のほうが苦痛が少ないと思っていたのですが、そうではないらしいです。
首吊りは頚動脈と椎骨動脈が同時に塞がれ脳への血液供給が止まるため、一瞬で意識喪失になるとのこと。
ちなみに首絞めの場合は、頚動脈が塞がれるだけなので血液供給は止まらない。首絞めでは気道を塞がれることによる窒息死が多い。
飛び降りは生き残ってしまうと痛い(怪我とか後遺症とかで)。まあどの方法でも失敗すると大抵何らかの後遺症は残るみたいですけど。
で、この本を読んだから死にたくなったかと言えば、ならないわけです。
この本を読んだことによって死のうと思う人は、きっと、「死にたいけど死に方が分からない人」や「死にたいけど痛そうだから死のうとしていなかった人」だと思います。
私の「生きる目的はないが、なんとなく死にたいとは思わない」という気持ちを揺さぶるような情報はなかった。
そして、ほんの少し持っている「死によってもたらされる思考消失の恐怖」を回避する情報、和らげる情報もなかった。
転生や死後の世界を信じない私は生にしがみつくのだ。別に醜いことじゃないし。

この本を読んで実際に死んだ人がいるのに著者や出版社は自殺幇助で逮捕されることはありませんでした。
Winnyの作者は著作権法違反幇助で逮捕され、Winny導入を解説するサイトにも家宅捜索が行われた(幇助の幇助?)。
この国は命よりも金が大事なのか。